オペ室ナースの勉強blog

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鉛管現象ってなに?レミフェンタニルのポイントを押さえよう

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今日はレミフェンタニルに絞って詳しく勉強します。


レミフェンタニルの鉛管現象とは?


鉛管現象ってご存知ですか?


手術室で数年働いてれば、何回か見たことがあるかもしれません。



レミフェンタニル(商品名アルチバ)を急速投与すると、頚部や胸腹部に筋硬直の症状が出ることがあり、これが鉛管現象と呼ばれます。


長年働いていても自分は起こしたことがないという麻酔科の先生もいますが
そういう方は上手に調節しているということになるんでしょうね。




初見はビビる


私は初めて鉛管現象を見た時はほんとビビりました。


いつも通り導入でアルチバの持続を始めたあと
心機能が悪かったので、麻酔科の先生が血圧が下がらないように予めネオシネジンかなんかを投与したんですよ。


で、滴下を早めたら、SpO2が急に低下してきて、何ごと?!と思ったらけいれんして筋硬直になって。

今の今まで普通に喋ってたのに。


オーベンの先生がすぐドルミカムエスラックス投与して
「鉛管現象だ。挿管しよう」

って言ったので、下の先生がすぐに挿管したんですよ 。


SpO2は40%とかまで下がってた気がする。


一発で挿管できたのでそのあとSpO2も上がって大丈夫でしたが、その時鉛管現象なんて知らなくて、何が起こったのか分からずめっちゃ怖かったですー。


その後、大したことないのも含めて数回鉛管現象に遭遇しましたけど、経験してただけあって少し冷静に対応できました。

最初の時ほどあんまり覚えてないです。それくらい初めての時は衝撃でした。



最近別の部屋で「導入の時けいれんしてSpO2が23%まで下がった!」って言ってるのを聞いて、あぁ鉛管現象で大変だったんだなーって冷静に聞くことができました(笑)



鉛管現象を防ぐには


鉛管現象を防ぐには、ロクロニウム(商品名エスラックス)を少量投与するのが有効です。

アルチバいきはじめてすぐくらいに入れてるイメージ。


少量というのは、2.5~5mgくらいです。
エスラックス50mg/5mLなので、つまり0.25~0.5mLくらいってことですね。


↑をやってる先生も見ますが、してない先生も多くいます。好みなんでしょうか?

この少量投与はプライミングプリンシプルと言われ、何もせず同量を単回投与するよりも、非脱分極性筋弛緩薬の作用発現を20~30%速めることができるそうです。



ただ少量であっても点滴痛があって、プロポフォールよりも患者さんが痛がってるイメージあります。

あと少量でも筋弛緩効果が強く出る患者さんもいるので、十分な観察が必要です。



もし鉛管現象が起こってしまったなら
すぐに導入の静脈麻酔薬と筋弛緩薬を投与すれば大丈夫です。

筋硬直している間はマスク換気ができませんが
筋弛緩薬が効いたらちゃんと換気ができるようになります。

最初に書いた事例ではすぐ挿管しちゃってましたけど。




レミフェンタニルの投与のポイント


ついでにレミフェンタニルの投与ポイントについて。

麻酔科の先生の仕事ですが看護師もぜひ覚えておきましょう。


投与方法


100μg/mLになるように生食または5%ブドウ糖液で希釈します。


導入時は0.5μg/kg/分を3~5分持続静注(高齢者は1/2程度に減量)してから、

維持量0.25μg/kg/分に減量します。


手術侵襲や循環動態などに応じて適宜調節し、最大2μg/kg/分まで増量可です。


初期投与しない先生もいますね。3分待つのがめんどくさいから初期投与の代わりにフェンタ入れとく、みたいな。



レミフェンタニルの副作用


副作用に血圧低下と徐脈があります。

投与量を減らす、輸液負荷、昇圧薬やアトロピンで対処します。


あと先程言った筋硬直です。


投与での注意点


レミフェンタニル投与の注意点として、チオペンタールを同じルートから行くと沈殿します。

あと輸血製剤と同じルートでいくと、レミフェンタニルが分解される可能性があり避けるのが望ましいと言われています。


術後のシバリングにも注意ですね。

↓過去の記事も参考にしてください。
molsama.hatenablog.com





過去問


ということで最後に問題を解いて終わりましょう〜。

レミフェンタニルだけではないですが。



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呼吸抑制作用があります。マル。


フェンタニルナロキソンで拮抗できます。マル。

ちなみにレミフェンタニルもナロキソンで拮抗できますが、短時間作用型のため使用する機会はあまりないですね。


血漿エステラーゼで加水分解されるのは、レミフェンタニルのことですね!

モルヒネは肝臓で代謝(グルクロン酸抱合)されて、腎臓から排泄されます。
代謝産物にも鎮痛作用が残り、肝/腎不全で蓄積するので注意。


④レミフェンタニルには神経毒性のあるグリシンという添加物が入っているので、硬膜外およびくも膜下麻酔には禁忌です。


⑤は他の麻薬は半減期数時間のところ、レミフェンタニルは数分です。〇です。


ということで、125で答えはbでした!




今日はここまでー😆




こちらの記事も参考にしてください。
molsama.hatenablog.com

molsama.hatenablog.com




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