オペ室ナースの勉強blog

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怖い夢を見る薬と、良い夢を見る薬?!静脈麻酔薬総まとめ

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今回は静脈麻酔薬について詳しく学んでいきたいと思います。


見たい薬が決まっている方は目次から飛んでくださいね✨

はじめに

最近、歯が口のなかで砂のようにざらざらボロボロと崩れて抜け落ちる夢を見て
怖くて起きて現実の歯を確認してホッとして、また寝たら同じ夢見て怖くて起きる

というのを3回繰り返して

もう本当に何か悪いものがとり憑いてるのかと不安になりました(笑)


怖い夢見るとぐったりしますよねぇ…
全然疲れもとれないし…


そのうち歯が全部抜ける予知夢だったらどうしよ…こわ…😨


ところで怖い夢を見ると言われる静脈麻酔薬はご存知ですか?

ケタミンという薬です。

ケタミンが怖い夢を見せることがあるというのは
麻酔の勉強してる人には結構一般的な知識かもです。



ということで

今日は静脈麻酔薬について!



過去問① 静脈麻酔薬の特徴


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答えは②です。

解説しながら学んでいきましょう〜



プロポフォール


まずプロポフォールの特徴から。


脂肪乳剤

成分が水に溶けにくいため脂肪乳剤の形態です。

あの白さの秘密は脂肪乳剤だからなのですねー

脂肪乳剤は菌が増えやすいので、長期間の投与には注意する必要があります。


大豆と卵黄アレルギーに注意

そして大豆や卵黄成分を含むので、アレルギーがある方は要注意です。


術後の悪心嘔吐が少ない

術後の悪心嘔吐(PONVといいます)が少ないので

PONVのリスク因子(若い女性、非喫煙者、車酔いしやすいなど)の方には

TCIシリンジポンプで持続IVして麻酔の維持をする全静脈麻酔(TIVAといいます)をすることもあります。


PONVとTIVAについてはこちらの記事でまとめています↓
molsama.hatenablog.com

血管痛がある

デメリットは血管痛があること。

血管痛緩和のために、プロポフォール投与前に
少量のリドカイン(20-40mg)を静注することもあります。



投与量 喘息患者さんにもOK

標準投与量は2~2.5mg/kgですが、
全身状態が悪い方や高齢者は0.5~1mg/kgに減量します。


喘息患者にも使えて、筋弛緩効果はなし。





過去問② ミダゾラムチオペンタール


続いてはミダゾラム(商品名ドルミカム)とチオペンタール


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125が正解で答えは②です。


ミダゾラム

健忘作用がある

まずミダゾラムですが、鎮静作用に加えて健忘作用があります。


投与量

全麻の導入だけじゃなくて

局麻の時の鎮静でも使ったりしますね。


導入時の投与量は0.1~0.2mg/kgですが

効果は個人差が大きく、しかも静脈内に投与してから

適切な鎮静効果が得られるまでの時間が比較的長いです。


せん妄になることがある

鎮静しようとしたらかえって不穏やせん妄になっちゃうこともあるので注意です。


局麻の鎮静でドルミカムをいった途端に緊張がほぐれてたくさん喋り出す患者さんが多いけど、

多弁になる作用があるみたいですよ。

拮抗薬はフルマゼニル

それと拮抗薬にフルマゼニル(商品名アネキセート)がありますが


作用持続時間はフルマゼニルの方が短いため拮抗後に再び鎮静してしまうこともあるのでこちらも注意です。




チオペンタール


次にチオペンタール

導入が早い

私の病院では局麻時にDCをかけるときくらいしか使っていませんが

血管痛がないことと、迅速な導入が得られるため

静脈路の確保された小児や全麻カイザーでは使いやすいそうです。


アルカリ性

気をつけなければならないのは、血管漏れ。

アルカリ性なので、点滴が漏れると組織壊死をきたすことがあります。


投与量

導入時はまず2mL程度を投与して

血管漏れによる著しい痛みがないことを確認してから

3~6mg/kgを投与します。

状態不良の患者さんには減量します。


ポルフィリン症は禁忌

あと、気管支喘息ポルフィリン症の患者さんには禁忌です!

ポルフィリン症については難しいので下記を参照してください。

難病情報センター ポルフィリン症



ちなみに選択肢③のナロキソンはオピオイドの拮抗薬です。



過去問③ ケタミン


最後、ケタミンについて。


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1と5が正解です。

ケタミン

交感神経刺激作用がある

上に書いた静脈麻酔薬には呼吸循環抑制作用がありますが

ケタミンには交感神経刺激作用があるため、血圧低下も起こりにくく自発呼吸も保たれやすいという特徴があります。

そのため循環血液量が不足した患者さんに使いやすいです。

鎮痛効果あり

あと鎮痛効果もあり、特に体表痛に強いそうです。


注意するポイントがいくつかあります。

気道分泌が増える

気道分泌が増えるので分泌抑制目的にアトロピンを併用することがあります。

頭蓋内圧が亢進する

静脈麻酔薬の中で唯一頭蓋内圧を亢進させるので

頭蓋内圧が亢進している患者さんには禁忌です。

悪夢を見る

最初に書きましたが、

ケタミン麻酔からの覚醒時に悪夢を見ることが多いということですね。

覚醒過程で不必要な刺激を避けることと

ベンゾジアゼピンの併用が予防に有効といわれています。

麻薬指定されている

オピオイドではないのですが麻薬指定されているので、麻薬処方箋が必要です。

投与量

静注の投与量は1~2mg/kg

静脈確保が困難な患者さんには筋注で導入することもあり

その場合は2~4mg/kgです。





まとめ


今回は総まとめ、ぎっしりでしたねー!

循環動態への影響についてはまた今度詳しくやりましょう〜






余談だけど、とある麻酔科医の先生が



プロポフォールってね、良い夢見れるんだよ

しかもね、エッチな夢なんだって❤️

こさじさんにも打ってあげよっかぁ~?



ってニヤニヤしながら言ってきたことがあるけど

あれセクハラで訴えてやれば良かった(笑)



エッチな夢が事実かどうかは知りません(笑)


今日はここまで✨




今回の記事は主にこちらの書籍を参考にしています。
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