どのくらい出血したら輸血するの?計算式を覚えよう
今回は輸血基準と計算式について詳しく学んでいきましょう!
話がそれますが
週末は1日ゲームをして自堕落な生活をしてました。
試験が終わって、久しぶりのゲームなので許されるはず(笑)
関係ないですけど私はドラクエシリーズが好きなんです。
ドラクエって攻撃してもされても血が出ないので落ち着いて見ていられるのですが
私の主人のやるゲームは戦争系のバンバン打ちまくるやつが多くて、血が吹き出て死にまくるので
あぁー怖くて見てられない😨ってなります。
私は感情移入して見てしまうから
そういうリアルなゲームは怖くてできない!
でもオペ室では悲しいことに本物の血に慣れますよね。
ここまで血と身近な部署は他にないでしょう。
入社してすぐは、血の匂いにおえーってなっていましたが
今は全く1ミリも気にならなくなってしまいました。
慣れって怖いですね。
たくさん血がでたら輸血です!
さぁ今日は輸血について学んでいきましょ〜
輸血基準
で、タイトルに戻りますが
どのくらい出血したら輸血するのか?
これ書き出したら大変なので
厚労省のサイトにしっかり書いてありますので
参考にしてみてください↓
面倒くさくて逃げたわけではありません(笑)
その中でもポイントをまとめていきます!
循環血液量の計算式
循環血液量は70ml/kgで計算します。(文献によって色んな説がありますがこれが一番メジャーです)
循環血液量のうち何%の出血か計算する
循環血液量の15-20%は細胞外液補充輸液(リンゲル液など)を出血の3倍投与
20-50%の出血で人工膠質液(HESやボルベンなど)や赤血球濃厚液(RBC)
50-100%で等張アルブミナー
100%以上でFFPや血小板輸血
ただこれはあくまでも目安です。
Hbなどの検査値、術野の状態やバイタルや出血傾向などで適宜調節します。
でも今日出血しそうだなーってオペのときは
前もって大体どのくらいで輸血になるのか予想できるので、計算しておくといいですね。
例えば体重40kgの女性と体重80kgの男性じゃ
循環血液量が倍違うわけです。
体重80kgの方は循環血液量が5600ml
20%=1120mlくらいまでは輸血しないけど
体重40kgの方は循環血液量が2800ml
20%=560mlで輸血するかもしれないってことです。
全然違いますよね〜
予測上昇Hb値の計算
RBC投与後の予測上昇Hb値を計算してみましょう
予測上昇Hb値(g/dL)= 投与Hb量(g)/循環血液量(dL)
で計算します。
※例えば,体重50kgの成人(循環血液量35dL)にHb値14~15g/dLの血液を2単位(400mL由来MAP加赤血球濃厚液1バッグ中の含有Hb量は14~15g/dL×4 dL =56~60g)輸血することにより,Hb値は約1.6~1.7g/dL上昇することになる。
↑コピペしましたけど、わかります?
循環血液量は70ml/kgだから、体重50kg×70mlして3500ml、dlに直すと35dlですね
で、血液2単位=400mlで1バッグ、つまり4dlですね
1バッグにHbがdlあたり14-15g入ってるから、14-15g×4で、投与Hb量は56-60gになりますね
これに計算式を当てはめて、56-60÷35=約1.6~1.7g/dl
つまり体重50kgの人に2単位輸血したら、Hbの値は約1.6~1.7上昇するってことです。
出血し続けてたらこうはいきませんが(笑)
まとめ
今日話した計算式などは
輸血をする手術で役立つ知識だと思いますので
ぜひ覚えておいてくださいませ✨
ちなみに昔、出血3万出たオペの外回りについたことがあります。
一番ピークの時は5分で1000mlくらい出てもうね超〜大変でした!
癌だったのでセルセーバーも使えず、ひたすら加圧バッグで輸血。
大量出血の時一番大事なのはすぐ応援を呼ぶことです。
急変と同じですからね。ベテランさんがどんだけ頑張っても1人じゃ絶対無理!
終わったあと主治医の先生からめっちゃ謝られました。
半年後に先生に聞いた時、患者さんはお元気にされていると聞きました。
それが本当に本当に良かったです。
大量出血の時のガーゼパッキングの話とか
ショックインデックスとか色々したいですが
それはまた今度にしますね!
今日はここまで✨
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