オペ室ナースの勉強blog

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なぜ手術の時に化粧をしていったらだめなの?腸間膜牽引症候群とは?

私普段自分もメイクするくせに、他人のすっぴんと薄メイクの差が全然わからないということに気付きました。



この前仲のいい麻酔科のM先生と雑談していて

私がもしここでオペを受けることになったら
すっぴんで手術室行くの嫌だなぁ

と話したら、M先生が

化粧してくる患者さん結構いるんすよ〜

って言うから、

えっ私ほとんど見たことないですよ

って言ったら、

そりゃ気付いてないだけっすよ!

だって。そんなにいるなんて本当に知らなかったです。



目パッチ(眼球保護シール)剥がしたら黒かったりしますよ〜

BISのシールを貼る前にアル綿で拭いたら化粧取れたりしますしね〜

ま、しょーみ拭くからそんな問題ないっすけどね!

と言ってました。






さて、じゃあ術前に化粧をしてこないでください、と説明するのはどうしてなのでしょうか?


過去に私が経験したことで言うと、

油分の多いファンデーションか下地のせいで挿管チューブの固定テープがうまく貼れないことがありました。

安全のために仕方ないとはいえ、顔をアル綿やおしぼりでゴシゴシ拭かれるのはお肌に悪そうです…




あとは顔色を見なきゃいけない時ですよね。

メイクしてたら顔色も血色も分かりにくいですね。




術中に顔色を見るというと、腸間膜牽引症候群やショックの時などでしょうか。


ということで腸間膜牽引症候群に関連する問題を解いてみたいと思います!


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腸間膜牽引症候群ってよく出題されるし、開腹のオペではちょくちょく遭遇しますよね。


開腹の直後に多く見られ、

プロスタサイクリンという血管を拡張させる物質が

腸間膜牽引によって腸間膜血管内皮細胞から放出されることで起こります。

症状は低血圧、頻脈、頭頸部と四肢の皮膚紅潮です。

30分程度持続し自然と消失しますが

放置すると異常低血圧で心停止に至った症例もあるとか!

薬や輸液で昇圧するなどの対症療法を行います。

予防としてプロスタグランジン産生抑制作用のあるフルルビプロフェンの静注をすることもあります。

私の病院でも昔フルルビプロフェンのロピオンを静注していましたが

ロピオンが手術室の常備薬ではなくなって、今は対症療法しかしなくなってます。




ということで問題を振り返ってみます。


1…低血圧と頻脈を呈します。全く逆なので✕ですね。

3…顔面は紅潮しますね。

4…30分程度持続します。

5…アナフィラキシーショックとの鑑別が必要です。

全身に発赤や発疹が出現するかで鑑別できますが、バイタルは似ているので注意ですね。

出血性ショックは、低血圧と頻脈は同じですが、顔面蒼白しても顔面紅潮はしないですね。


ということで、答えは2でした。



ちなみに、術中腸管を牽引したり腹腔神経叢の刺激によって迷走神経反射が起こると

低血圧と徐脈になることもあるのですが、こちらも対症療法で対応します。





メイクといえば、最近マツエクしている方が多いですよね。
他の病院もみんなそうかもしれませんが、うちではマツエクの方は目パッチを貼らずに生食で濡らしたガーゼを当てて、その上からパーミロールを貼っています。

なんかこういう思いやりは、優しい平和な世界‪って感じで、好きです(笑)





今日はここまで( ˙ᵕ˙ )






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