PONVにはTIVAでTCIで。PONVのリスク因子を知ろう
タイトル見て、こいつ略語使ってドヤ顔したいタイプだなって思いました?
その通りです。(笑)
今日は術後悪心嘔吐を予防する方法について
それとともにTIVA麻酔についても勉強していきます。
はじめに
いきなりですが私、めちゃくちゃ車酔いするタイプなんですよ。
バスで酔うし、この間なんか電車で本読んで酔いました。
船とか最悪です。確実に100%酔います。
修学旅行で周りに迷惑かけてたやつですね…
あとで詳しく書きますが、タバコも吸わないし間違いなく術後嘔吐しやすいタイプです。
うちの夫は生まれてこの方、一度も車酔いも船酔いもしたことがないそうで
ほんと恨めしいです…。あっ、間違えました、羨ましいです。
つわりも理解してくれなくて困りました。
24時間ずっと二日酔いみたいなもんだよと言う
と
それはやばいな…とようやく理解してくれましたが(笑)
PONVとは
さて、今日は術後悪心・嘔吐(PONV)について
勉強していきたいと思います。
PONVというのは、postoperative nausea and vomitingの略で、まぁそのまんまですね。
リスク因子
リスク因子のうち患者因子は
女性(男性の3倍)、非喫煙者、肥満患者、PONVの既往、乗り物酔いの既往
麻酔因子は、二時間以上の揮発性麻酔薬、亜酸化窒素、術中術後のオピオイド使用
手術因子は、長時間の手術(オペ時間が30分増す事にPONVリスク6%増加)
術後因子は、オピオイド使用、術後疼痛、めまい、
強制的経口摂取、低Na血症、低Cl血症などです。
この中でもPONVの4大因子と言われるのが
①女性 ②非喫煙者 ③PONVや乗り物酔いの既往 ④術後のオピオイド使用
これら4大因子がゼロなら15%、1つなら20%、2つなら40%、3つなら60%、全部なら80%とされています。
てことは、もし私がオペになったら、それだけで60%で
硬膜外麻酔やIV-PCA術後併用してフェンタニルが投与されてたら80%
オペ時間30分で6%ってことは3時間で36%
足して116%…?!たった3時間で100%超えるとかある?こわっ…😱
予防法
PONVのリスクが40%以上と考えられる場合は、何かしらの対策が必要です。
プロポフォールのTIVAについて学ぼう
標的濃度調節持続静注(TCI)
プロポフォールは標的濃度調節持続静注(Target
controlled infusion:TCI)を行うのが一般的です。
現在プロポフォールのTCIを行うには
専用のガラス製のプレフィルドシリンジ製剤と
TCI機能のついたインフュージョンポンプが必要です。
製剤の青色のタグ部分に記録された
薬物(この場合プロポフォール)とその濃度(1%=10mg/mL)
の磁気情報をインフュージョンポンプが読み取って
初めてプロポフォールのTCIが可能になります。
ただのプロポフォールを吸ったシリンジをつけてもTCIは出来ないんですね〜
TIVAは術中覚醒のリスクが高い
TIVAで気をつけなければいけないのは
吸入麻酔薬と比較すると術中覚醒の可能性が高いことです。
吸入麻酔薬は呼吸回路が外れてもアラームが鳴って分かりますが
シリンジポンプはお馬鹿なので、閉塞と空になった時と電圧不足以外はアラームを鳴らしてくれませんよね。
つまり点滴が刺入部から漏れていたり
カテーテルの接続部が外れていたり
血管を圧迫して輸液バッグに逆流していたりしても
シリンジポンプは検知できないんです。
もし体側固定をしていて刺入部が隠れていたら
見えないところでびっしょり漏れてる可能性も…
TIVAをするときはいつも以上に念入りに静脈ラインを確認し
出来る限りBISなどの鎮静度モニタリングを行いましょう。
あと最後にもうひとつ
プロポフォールには吸入麻酔薬と違って筋弛緩作用がないので
吸入麻酔に比べると筋弛緩薬の量も多く必要となります。
覚えておきましょう✨
↓過去記事もぜひ参考にしてください。
プロポフォール含めた静脈麻酔薬についてまとめています。
molsama.hatenablog.com
今日はここまで〜✨
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