良肢位の角度、曖昧に覚えていませんか?神経障害と褥瘡予防のポイント
今日は良肢位と体位による注意点を学んでいきます。
神経障害シリーズ3回目になります✨
こちらの記事も参照にしてください。
過去問① 良肢位
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良肢位について誤った組合わせはどれか。
a 肩関節………… 外転 20°
b 肘関節………… 屈曲 90°
c 股関節………… 外転 20°
d 膝関節………… 屈曲 10°
e 足関節………… 底屈 10°
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答えはCです。
ちなみに2018年周術期管理チーム認定試験B問題からの出題です。
結構難しくないですか?
ちゃんと覚えてないと解けませんね😱
それでは解説していきますね。
関節の良肢位とは?
※周術期管理チームテキストを参考にしています。
肩関節…外転0~30°、外旋20°、内分回し30°(挙上時は90°以上)
肘関節…屈曲90°
前腕…回外回内中間位
手関節…背側10~20°
手指…ボールを軽く握った位置、母指は対立位
股関節…屈曲15~30°、外転0~10°、外旋0~10°(砕石位時は40°以上)
膝関節…屈曲10°
足関節…背屈0~10°、底屈0~10°
用語の説明
外転、外旋など多分大体の意味は分かると思うんですが
分かりにくそうな用語を説明していきます。
外転、外旋、内分回しとは
肩関節を例にして言うと
外転は前額面で四肢が体から離れる運動のことです。
腕を体に添わせた状態から、脇を広げて横に広げるような感じですね。
外旋というのは骨を中心軸として前方から外方に回す運動のことです。
肘関節を90°に屈曲し前腕を前に出して、前腕を外側に広げるのが外旋、反対が内旋です。
上腕をぐるっと捻るような動きですね。
内分回しというのは水平屈曲とも言って、水平面での後方から前方への動きです。
上肢を外転して、前ならえをするように前方に動かす感じですね。
腕を真下に下ろした状態だと混乱すると思うので、腕を少し外転させた状態で想像してみてください。
※外転0°の下垂位と180°の挙上位では、外旋の角度と水平屈曲は定義できないためです。
わかりやすい図がありました。
以下より参照しています。
(肩関節の回旋角度表示における問題点と解決法の一提案:神野 哲也・他、Jpn J Rehabil Med 2014 ; 51 : 574.581)
回内と回外とは
ひねる動作は内旋と外旋に少し似ていますが
肩関節の内旋をせずに、前腕を捻る動きです。
要するに上腕はそのまま、手のひらのみをひっくり返すような動きをするのが、前腕の回内と回外という動きです。
母指の対立位とは
母指の向きが他の4指と対立しているということです。
手のひらサイズのボールを握ったとき、母指は他の指と向かい合わせになりますよね。あんな感じ。
底屈と背屈とは
まっすぐ立っている状態の時の足関節が0°です。
つま先を頭側に動かすのが背屈、足側に動かすのが底屈です。
過去問② 手術体位固定のポイント
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手術体位の支援について不適切なのはどれか。
a 末梢神経障害を防ぐために関節は伸展させる。
b 体位固定後,褥瘡予防のための置きなおしを行う。
c 長時間の圧迫時には,定期的に圧迫部位の観察を行う。
d 皮膚の乾燥や必要以上の湿潤は,褥瘡発生因子となる。
e 側臥位の手術では,眼球への圧迫がないことを確認する。
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答えはaです。
ひとつずつ詳しく解説しますね。
a.関節は軽度屈曲させるのが良い
先程の良肢位を参考に、少し屈曲させてあげた方が神経障害予防になります。
b.体位固定後と手術中の圧抜きと置き直し
褥瘡ができる原因は「ズレ」と「摩擦」と「圧力」です。
ベッドのローテーションや手術操作によりズレと摩擦が生じます。
術中は同一体位の保持により圧迫が長時間になるため、皮膚の血行障害により褥瘡のリスクが高まります。
体位固定後は置き直しをしてズレを解除します。
術中も骨の突出部(褥瘡好発部位)に特に注意して、圧抜きと置き直しを行い褥瘡予防に務めましょう。
シーツのしわ、ライン類やコード類の圧迫にも気をつけてください。
c.長時間の圧迫時の皮膚の観察
手術の支障になる部分は動かせないのでなかなか難しいかもしれませんが
上肢の固定など外して見れる範囲で確認するといいですね。
d.皮膚の乾燥と湿潤に注意
皮膚の乾燥や必要以上の湿潤は褥瘡発生因子となります。
皮膚の乾燥は角層内の水分不足で、目には見えないひび割れ状態といった感じです。
そのため外的刺激や感染への抵抗力が弱くなります
過度の湿潤も簡単に言えば皮膚がふやけた状態なので、皮膚の抵抗力が弱まります。
オムツを装着して長時間手術したり、洗浄の水が流れたりなど
過度の湿潤環境にならないよう注意しましょう。
まとめ
3回にわたる神経障害シリーズは以上になりますが、いかがでしたか?
神経障害と褥瘡予防は私たち看護師が気をつける領域です。
手術以外の傷や神経障害を作らないよう
今回学んだリスク因子、神経の走行、良肢位などの知識をきちんと持って
日々気をつけて観察していきましょうね。
今日はここまで〜😆
今回の記事は主に下記の書籍を参考にしています。
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