オペ室ナースの勉強blog

手術室看護師に役立つまとめブログ。周術期管理チーム認定試験の対策も✎

術中筋弛緩薬はいらない?

先日あるシニアレジデントの麻酔科の先生が

術中にエスラックスを入れすぎて

術後ブリディオンを入れたあとまた呼吸が止まってしまって

結局筋弛緩が切れるのを待って1時間かかったとか何とか。



その先生は

手術の途中でTOFが壊れたせい!

とTOFの故障のせいにしてたんだけど



それを私の尊敬するベテラン麻酔科のK先生に話すと

筋弛緩薬なんて挿管の時だけでいいんですよ

心外と脳外はバッキングした時のリスクが大きいから一応入れるけど

他のオペは開腹だろうがラパだろうが僕は最初しか入れないです

鎮痛鎮静をしっかり入れてれば何の問題もないですよ



って言われてびっくり!

MEPモニタリングの時に筋弛緩薬を入れないから

無くても出来るってことはわかるけど

基本術中の筋弛緩は当然入れるものだって思ってたし

開腹するときお腹固いとか言われないの?

ラパで気腹に影響ないの?って不思議で。



でも実際その日K先生はギネラパを筋弛緩無しでやってたけど

何も問題なさそうだった…

(※少数派の意見だと思います。一般的には術中はTOFカウント1~2以下に保つようにすると言われています。)



それだと覚醒前にバッキングしませんか?と聞いたら

バッキングしたらプロポフォールをいくからいいですよ

吸入麻酔の興奮期をプロポフォールが抑えるから

抜管前に入れるのがオススメです

と教えてもらった!

まぁ私が入れるわけじゃないんだけど

そういう考え方もあるんだなーと勉強になりました。



「アルチバが出てブリディオンが出て

何も考えなくていいようになって

どんどん麻酔科医が馬鹿になってる」

だって( ˙-˙ )笑

SRの先生たち言われてますよ(小声)



うちのSRの先生の中には

人にもよるけどミスを認めなくて何でも周りのせいにする人も多くて

ミスを看護師のせいにしてこられたりするとこっちもすごく悲しい…

まず自らを省みてほしいかな。

そんな先生ばかりではないんですけどね!

良い人もたくさんいます。

基本的に麻酔科の先生は好きです(笑)





さて今日の問題

①TOF比どのくらいが抜管基準でしょうか?









答えは0.9以上ですね( ˙ᵕ˙ )



ちなみに上で術中TOFカウントは1~2以下に保つと書きましたけど、

TOFカウントとポストテタニックカウントは違います。

TOF刺激は2Hz(0.5秒間隔)の4連続刺激ですが、ポストテタニックカウントは50Hzを5秒間高頻度で刺激したあとの1Hz刺激に対して何回筋収縮があるかを見ています。

ってこれだけ書くとややこしいですが、

TOF刺激ではまったく筋収縮反応が認められないような深い筋弛緩状態の場合に用いる方法で、

何分後にTOF刺激に対する筋収縮が回復してくるかある程度予測できるってことです。

ポストテタニック刺激が2であれば約10分後にTOFカウント1が出てくる、というような。

バッキングを予防するにはポストテタニックカウント5以下で保つそうです。

きっと最初の麻酔科の先生がポストテタニック刺激をしていたらしばらく0のままだったでしょう…

TOFモニターってすごく便利だけど、頼りすぎるのもダメだなと思ったのでした。

筋弛緩薬についての勉強は長くなるのでまた今後。

今日はここまでー!





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