メチレンブルーなどの色素が影響?パルスオキシメーターの仕組みについて
今日はパルスオキシメーターの原理と
注意すべきポイントを勉強していきたいと思います。
ちょっと話がそれますが
いきなりですが、私は金魚を飼ってます。
夏祭りの金魚すくいで取ってから数ヶ月、大事に可愛がって育ててきました。
ところが先日、三匹いるうちの一匹の尾びれと胸ひれが小さくなっていることに気がつきました。
調べてみると尾腐れ病と呼ばれる感染症にかかっているようでした。
それで尾腐れ病の治療と言えばこれ!とネットに書かれていた
メチレンブルー(商品名グリーンF)を大急ぎで購入。
青色色素ですが、殺菌消毒作用もあります。
メチレンブルーを投与し、体力を温存させるために塩浴も行い
今はまだひれは完全回復ではないものの、少しずつ伸びて戻ってきています。
つまりなんの話やねん!って感じですが(笑)
メチレンブルーといえばオペ室に馴染みのある色素ですよね〜
私の病院でやっている手術でぱっと浮かぶのは、マンマ(乳房切除)や形成の染色かな。
後述するメトヘモグロビン血症の治療でメチレンブルーを静注することもあります。
あとウロの腎部切で腎杯のリークを見るのにインジゴカルミンを使ったりとか
ジアグノグリーン(インドシアニングリーン、ICG)はリンパ節の確認とか、脳外の血管走行を確認するために使ったりして
色素って結構オペ室ではよく使いますよね〜
さて今日はそんなメチレンブルーやインジゴカルミンなどの色素の影響について
そしてそれとともにパルスオキシメーター(SpO2モニター)の仕組みについて
勉強したいと思います!
過去問
まずは問題を解いてみましょう〜
答えは2と3でCです。
解説していきますね。
電気メスがSpO2の値に影響することがある
電気メスを使った時の電磁干渉でSpO2の値に影響することがあるので1は✕です。
パルスオキシメーターの仕組み
2のメチレンブルーについて。
これが低値になるか高値になるかなんて知るかと言わずに
パルスオキシメーターの仕組みを勉強しましょう。
青色色素で低値になることがある
パルスオキシメーターは酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの吸光度を用いて測定しています。
詳しく説明するとややこしいのでめっちゃ簡単に説明しますが
酸素化ヘモグロビンは赤色、脱酸素化ヘモグロビンは紫色と考えてください。
めっちゃ酸素化悪い方の採血したら紫や黒い色してるの想像できますか?
メチレンブルーは青いので、器械が脱酸素化ヘモグロビンと勘違いしてしまい低い値になってしまうわけです。
分かれば簡単!
3は今解説した通りで〇です。
メトヘモグロビン血症では低値
メトヘモグロビン血症についてもアバウトに説明していきます。
メトヘモグロビン血症は遺伝性や中毒などの理由で
ヘモグロビンの中の鉄イオンが酸化して、酸素の結合能力や運搬能力が落ちます。
色はチョコレート色の血液になるそうです。
その色が脱酸素化ヘモグロビンのようなので
どんだけ純酸素投与してもSpO2は低値になってしまうそうです。
一酸化炭素中毒では高値
ちなみに一酸化炭素中毒も同じような感じで理解できると思います。
一酸化炭素は酸素の200倍以上の結合力と言われていて
ヘモグロビンに本来くっつくべき酸素が、席を一酸化炭素に奪われて酸素がくっつけない状態になります。
で、一酸化炭素中毒になっても
器械は酸化ヘモグロビンなのか異常ヘモグロビンなのか、色的に見分けがつかないので(実際は違いあるんだけど器械はそこまで読み取れない)
本当なら酸素化めっちゃ悪いのにSpO2は98%とか出てしまうわけです。
値は出てるけど、測定エラーです。
血流低下で測定エラー
測定エラーになる因子は他にも血流低下があります。
拍動のたびに吸光度を測定しているので、血流低下で脈圧が弱くなると測定できなくなります。
非観血的血圧測定中とか人工心肺中も測定できないけど、あれも拍動がないためですね。